# --- Kifu for Windows V6.34 棋譜ファイル --- 開始日時:2010/02/07 10:00 終了日時:2010/02/07 14:27 棋戦:第2期天河戦挑戦者決定戦 持ち時間:2時間 消費時間:104▲116△97 場所:駒込サロン 手合割:平手   先手:船戸陽子二段 後手:石橋幸緒四段 手数----指手-- *中井広恵天河への挑戦権を争う第2期天河戦決勝トーナメントは、いよいよ挑戦者決定戦。本命の石橋幸緒四段が貫禄を見せるのか。それとも実力者の船戸陽子二段が初めて番勝負の舞台に立つのか。 *本日の記録係はアイリスの鈴木悠子さん。振り駒をすると、最初は「歩」と「と」が2枚ずつ、1枚が立ってイーブン。振り直した結果、「と」が3枚出て船戸二段の先手と決まった。 * *(棋譜・コメント入力=青葉) 1 7六歩(77) *石橋は予選リーグで藤森奈津子三段、蛸島彰子五段に勝って2連勝通過。本戦トーナメントでは小野ゆかり女子アマ王位、蛸島五段を破って挑戦者決定戦に進出した。 2 3四歩(33) *船戸は予選リーグで大庭美樹初段、中倉彰子初段に勝って2連勝通過。本戦トーナメントの抽選ではシードを引いて、準決勝から登場。松尾香織初段との対戦で必敗形に陥りながら、最後は大逆転で勝ち上がった。 3 4八銀(39) *船戸、この銀上がりに少し時間を使った。 4 5四歩(53) *自身のブログで力戦になると予想した石橋。両者ともに、まだどのような作戦を取るのかはっきりしない。 *先手が指してはいけないのは▲2二角成△同銀(または△同飛)に▲5三角。△5五角で香取りが受からず、あっという間に不利となる。 5 6八玉(59) *ここまでの消費時間は船戸7分、石橋3分。 6 5五歩(54) *5筋の位を取った。これは中飛車の可能性が高い。 7 7八玉(68) *本局の記録係を務める鈴木悠子さんは、早稲田大学の現役学生。広瀬章人五段、中村太地四段、熊倉紫野女流初段などの後輩だ。 8 5二飛(82) *石橋は5筋位取り中飛車。対して船戸の作戦やいかに。記者の予想は穴熊。 9 6八銀(79) *記者の予想はすぐにはずれた。 10 6二玉(51) *対局場はいつもの通り、駒込サロン。外は快晴で、気持ちのよい日曜日の朝だ。 11 5八金(49) *日曜日の午前といえば、NHK杯戦をご覧になられている方も多いだろう。本日は渡辺明竜王−深浦康市王位の好カード。早指しのNHK杯が終わる頃には、本局も佳境を迎えているだろう。 12 7二玉(62) *第1期天河戦三番勝負は、成田弥穂女子アマ王位の活躍で盛り上がった。果たして今期は、どのようなドラマが見られるのだろうか。 13 9六歩(97) *穴熊にしないのであれば、この端歩は損にはならない手。 14 9四歩(93) *穏やかに受けておく。居飛車、振り飛車、いずれにとっても、この端は大きい。逆に突き越されると、途端に陣形が息苦しくなる。 15 3六歩(37) *飛車先の歩を保留して駒組みを進めていた船戸は、隣りの筋の歩を突いた。▲3八飛の袖飛車から動く含みがある。 *ここまでの消費時間は船戸14分、石橋9分。 16 4二銀(31) *石橋、この銀上がりに少し時間を使った。▲5六歩(△同歩は▲2二角成で角がタダ)の突き上げは大丈夫かどうか確認したのだろう。▲5六歩以下は△3三銀▲5五歩△4四銀で歩を取り返すことができる。 17 3七銀(48) *足早に攻めの銀を上がってゆく。 18 4四歩(43) *「歩越し銀には歩で対抗」は昔からある格言。船戸の▲4六銀を見越して、あらかじめ迎撃態勢を作る。 19 4六銀(37) *船戸、すぐに銀を出る。 20 4五歩(44) *待ってましたとノータイム。▲4五同銀は△4三銀と立って、次に△3三桂が受からない、ということだろう。 21 同 銀(46) *女は度胸。▲3七銀と引くのでは何をやっているのかわからず、気合い負けと見たか。 22 4三銀(42) *ノータイム。 23 4六歩(47) *あらかじめ銀にひもをつけて、△3三桂に備えた。 *ここまでの消費時間は船戸20分、石橋17分。 24 3三桂(21) *これで後手は銀桂交換の権利を確定させた。ただし先手に一歩を渡しているので、駒割だけを見るとどちらが得をしているのかはわからない。 25 4八飛(28) *主戦場の4筋に、一番頼りになる援軍を回す。 *両対局者ともに椅子を少し引いて座っているため、指す時以外は動画カメラのフレームからしばしば外れている。さらに戦いが白熱してくれば、前のめりの姿勢で考える姿も見られるだろう。 26 6二銀(71) *銀はいつでも取れるので、一番いいタイミングで取りたい。 27 1六歩(17) *船戸は相手の動きを待つ。 28 1二香(11) *振り飛車側の常套手段。あらかじめ角筋を避けて、▲1一角成のときにストレートに香を取られないようにする。 29 2六歩(27) *どの駒を動かしていいのか、有効手が難しい局面。 *時刻はそろそろ11時。ここまでの消費時間は船戸27分、石橋30分。 30 4五桂(33) *このタイミングで銀を取った。 31 同 歩(46) *駒割は銀と桂歩の交換。どちらが得をしているかは微妙だが、振り飛車側は2一桂がさばけると、だいたいうまくいくことが多い。居飛車側もいずれ2九桂を使いたいが、その順はあるだろうか。 32 5四飛(52) *軽い飛車浮き。 33 1五歩(16) *自分から動いてスキを作るのではなく、あくまで相手の動きを待つ姿勢。 34 3一角(22) *角を転換。好タイミングでの△5六歩や△6四角を狙う。 35 3七桂(29) *小考の末に起用。△3五歩(▲同歩ならば△3六銀)は▲4六飛で大丈夫ということだろう。 *ここまでの消費時間は、両者ともに40分。 36 5三角(31) *15分ほど考えて角を上がる。4筋に備えながら、△2六角を狙っている。 * *※石橋はここで▲2五歩も読んでいたという。以下△2六角は▲4七金。 37 2八飛(48) *△2六角を受けた。 38 3五歩(34) *▲4六飛の余地をなくしておいてから歩を突っ掛ける。石橋の攻めに調子が出てきたか。 39 同 歩(36) *素直に応じる。 40 7四飛(54) *軽快な揺さぶり。▲7七銀と上がらせれば、▲5五角の余地がなくなる。 41 5五角(88) *角を使わなければ勝負にならないと見た。 42 7六飛(74) *飛車をさばき、一歩を手にしながら王手。 43 7七銀(68) *時刻は11時50分。昼食休憩は12時10分から13時まで。 44 7五飛(76) *角取りに引く。▲6六角と当て返されても、5三角のひもがついている。 45 3三角成(55) *「残り60分です」と記録係鈴木さんの声。「はい」と返事をする石橋。船戸は残り1時間10分。 46 3二銀(43) *飛車を渡すことを見越して、低い陣形にしながら当て返す。 47 6六馬(33) *馬は自陣に引け。7五飛に当たっているが、手をかけて作った馬と、あまりあまり働きのない中段の飛車との交換は気が進まない。 48 3六歩打 *痛打。石橋がはっきりとリードを奪ったか。 49 2五桂(37) 50 3七歩成(36) 51 1八飛(28) *端に逃げる。 52 4五飛(75) *桂がそれたので、ここに回ることができる。 53 9五歩(96) *期待の反撃。駒台に細工用の道具は揃っているので、何とか手を作りたい。 54 同 歩(94) *事を荒立てずに▲9四歩の取り込みを許し△9二歩と謝っておこう、などという姿勢を何よりも嫌う石橋。当然のようにやって来いと応じた。船戸にとってはここがチャンス。 55 9三歩打 *直接ではなく、控えて打つ。△9三同香と応じてくれるのであれば、▲9二歩△同香▲9三歩よりは一歩得。 *12時10分、ここで昼食休憩に入った。消費時間は船戸59分、石橋1時間10分(チェスクロック使用、持ち時間各2時間) 56 9六歩(95) *13時、対局再開。石橋はすぐに歩を伸ばした。相手の動きを逆用しようとする姿勢。 * *※ここで▲3四歩と手を渡されるとよくわからなかったと石橋。 57 1四歩(15) *一転、逆サイドに。△1四同歩ならば▲1三歩で香を入手しつつ、飛車の活用をはかれる。 58 4九飛成(45) *大きな成り込みだが、まだ決定打ではない。 59 5九金(58) 60 4五龍(49) 61 1三歩成(14) *1筋突破。ただし飛車を侵入するには、まだ手間がかかる。 62 1七歩打 *歩が切れた瞬間に打ち捨て。飛筋をずらす。 63 同 飛(18) 64 4八と(37) 65 6八金(59) *ここまでの消費時間は船戸1時間4分、石橋1時間23分。 66 5八歩打 *この筋に歩が立つ。 67 1二と(13) 68 5九歩成(58) *こちらのと金は、玉のすぐ側。と金の位置が、そのまま形勢の差かも知れない。 69 7九金(69) *船戸、しばらく考えて金を逃げる。 70 5八と(48) *当然の追撃。 71 4七香打 *攻防手。△4八龍を防ぎながら、龍と金の串刺し。 72 9五龍(45) *△3五龍と一歩を補充しながら逃げたいところでもあるが、争点のひとつでもある9筋を補強。後手としては、このまま左右挟撃体制で先手玉を包囲していくのが理想。 73 4一香成(47) *金を取るメリットと、香を渡すデメリット。 74 同 銀(32) *相手のと金から遠ざかりつつ。 75 8六金打 *手にした金を、惜しまず投入。 76 3五龍(95) 77 9六香(99) *左サイドの駒が多いのは先手。次に▲9二歩成が実現すれば目の前が開けてくる。 78 9五歩打 *貴重な一歩を打ち捨てる。△6八と、は焦る必要がなく、一番いいタイミングで金を取りたい。 79 同 香(96) 80 6八と(58) *ここで取った。 81 同 金(79) *現時点での大まかな駒割は銀桂交換で、後手が少し得をしている。 82 8四香打 *こちらも攻防の香。 83 9二歩成(93) *両サイドの端を突破。もちろん玉側こちらサイドの方が戦果が大きい。 84 8六香(84) *石橋は駒得を拡大させる。この瞬間9五香が龍であたりになっているのは、△9五歩と打ち捨てた効果。以下▲8六同銀は△同角▲同歩△9五龍で、一気に決着をつけようということだろうか。 *時刻はそろそろ14時。残り時間は船戸28分、石橋26分。 85 6五桂打 *龍の横利きを止めながら角取り。 86 9六金打 *詰めろ香取り。(1)▲8六銀は△同角▲同歩△8七銀以下、先手玉は詰み。(2)▲8六歩は△8七銀▲7九玉△3九龍でほぼ受けなし。何かの拍子に先手の駒台に金が置かれれば▲8二金までだが、そのようなチャンスは来るだろうか。 87 7六馬(66) *つらい辛抱。 88 3八龍(35) *どうやら大勢決したようだ。 89 6六歩(67) *逃げ道を開けようとするが。 90 8七香成(86) *決め手か。 91 同 馬(76) 92 6九銀打 *▲8八玉は△6八龍▲同銀△8七金▲同玉△7八角以下詰み。5三角が上部によく利いている。 *残り時間は船戸15分、石橋25分。 93 6七玉(78) *悔しいが仕方がない。 94 5八銀(69) *単に△8七金でも勝ちであろうが、追撃。▲7六玉は△7五金、▲5六玉は△3六龍で詰む。 95 7八玉(67) 96 6九銀(58) *これは反省のやり直し。 97 6七玉(78) 98 8七金(96) *確実な足取り。今度こそ△5八銀不成以下先手玉は詰む。先手玉は受けが難しく、また後手玉に詰みはない。 99 7九歩打 100 4九角打 101 5八香打 102 同 銀(69) 103 7六玉(67) 104 8六金打 *以下▲8六同銀△同金まで、先手玉は詰み。船戸はわかりやすいところまで指し進めて投了した。 *終了時刻は14時27分。消費時間は船戸1時間56分、石橋1時間37分。中井天河への挑戦権は、石橋四段が獲得した。三番勝負第1局は2月21日におこなわれる。 105 投了 まで104手で後手の勝ち