# --- Kifu for Windows V6.34 棋譜ファイル --- 開始日時:2009/12/15 17:00 終了日時:2009/12/15 19:14 棋戦:第2期天河戦予選 持ち時間:0時間40分 消費時間:141▲40△40 場所:駒込サロン 手合割:平手   先手:藤田麻衣子1級 後手:中倉彰子初段 手数----指手-- *予選A・B組3回戦は、各組1勝1敗者が予選通過をかけた戦う。中倉彰子初段はA組、藤田麻衣子1級はB組で1勝1敗。抽選により、両者が当たることとなった。振り駒の結果、先手は藤田1級。 * *(棋譜・コメント入力=青葉) 1 7六歩(77) *17時、駒込の街に「夕焼け小焼け」のメロディが流れる中、対局開始。 2 3四歩(33) 3 2六歩(27) *藤田は居飛車党。 4 4四歩(43) 5 4八銀(39) 6 4二飛(82) *振り飛車党の中倉、四間飛車に。 7 6八玉(59) 8 6二玉(51) 9 7八玉(68) 10 7二玉(62) 11 5六歩(57) 12 8二玉(72) 13 5八金(49) 14 3二銀(31) 15 9六歩(97) *居飛車陣はまだ、急戦、持久戦、いずれを選ぶこともできる。 16 9二香(91) *中倉、穴熊を宣言。 17 9五歩(96) 18 9一玉(82) 19 2五歩(26) 20 3三角(22) 21 3六歩(37) *この歩を早めに突くと、一般的には急戦志向。 22 4三銀(32) *ここまでの消費時間は藤田6分、中倉3分。 23 3七桂(29) *この桂跳ねは▲6六角から▲7七桂を予感させる。 24 8二銀(71) 25 6六角(88) *やはり。ここから▲7七桂、▲8八銀、▲6八金上、▲9八香、▲2九飛、▲9九飛と地下鉄飛車を目指すのがしばしば見られる指し方。一般的に穴熊は横からの攻めには強いが、上からの攻めが決まればもろい。 *ここで中倉が考えている。振り飛車としては居飛車の遠大な構想が実現するまでに、動いてしまいたい。△6四歩から△5四銀の形を作って、先手の角にプレッシャーをかけるのがよくある指し方。 26 5二金(41) 27 7七桂(89) 28 6四歩(63) 29 6八金(69) *夢の実現まであと4手、というところ。 30 6三金(52) *ここまでの消費時間は両者ともに10分。 31 8八銀(79) 32 7四歩(73) 33 2九飛(28) 34 7一金(61) *堅くくっつける。上部の厚さを重視するならば△7二金。 35 8六歩(87) 36 6五歩(64) *▲同桂は△5四銀で取られてしまう。 37 5七角(66) *ここが地下鉄飛車における角の定位置。▲3七桂と跳ねているので△5四銀から△4五銀と圧迫される可能性はないが、反面△5四歩から△5五歩の角頭攻めには弱い。 38 2二飛(42) *手堅いか、それとも利かされか。 39 8七銀(88) 40 5四銀(43) 41 1六歩(17) 42 4五歩(44) *角筋を通して▲8五桂跳ねをけん制。 43 8五歩(86) *大きな伸ばしだが、▲8五桂の余地をなくすだけに、一長一短ある。後手は△7三金ぐらいか。▲8四歩△同歩▲同角の余地をなくしながら固めて、自然と思われる。 44 6四金(63) *中倉はしばらく考えた末に、力強く金を出る。セレブな奥様風の外見とはうらはら、これがあっこ流。△7二飛から△7五歩などの狙いを含みとしている。 45 8四歩(85) *この歩を無条件で切ることができれば大きなポイントだが。 46 同 歩(83) 47 同 角(57) *先手はこの瞬間が怖い。△7五歩や△3五歩など、気になる筋がある。 48 7五歩(74) *許しませんよ、という歩突き。 49 同 角(84) *読み筋だったか、藤田もすぐに応じる。角金交換は駒損だが、対穴熊戦では角よりも金の方が重要になるケースが多い。 *ここまでの消費時間は、藤田20分、中倉26分。 50 同 金(64) 51 同 歩(76) *さて、どちらが得をしたのか。藤田の方は▲7六銀から▲8九飛を実現させたい。 52 4四角打 *先手玉上空をにらむ2枚目の角を設置。 * *※代わりに△3五歩なども有力だった。 53 7六銀(87) *当初の構想とは異なるだろうが、快適な地下鉄飛車が実現しそうだ。 54 8三歩打 *▲8九飛を見越して、あらかじめ手堅く受けた。ただし貴重な一歩をここに使ってくれるのであれば、先手にとっても安心するところはある。 55 4六歩(47) *いかにも効いていそうな突き上げ。藤田、大きくポイントをあげたか。 56 6二飛(22) *駒損は仕方ないと見て、開き直って転戦。 57 4五歩(46) 58 7七角成(44) 59 同 金(68) *駒割は金桂交換。逆に藤田の駒得となった。 60 4六桂打 *これが中倉期待の攻め。穴熊相手に勝つのは大変と思わせられる局面だ。 61 4七金(58) *小考で金をかわす。△3八桂成ならば、そこで▲8九飛だろう。 *ここまでの消費時間は藤田28分、中倉36分。そして中倉は40分の持ち時間を使い切り、あとは一分将棋。 62 3八桂成(46) *△5八桂成との二択で時間を使ったか。 * *※もちろん△5八桂成も考えられた。▲4六角ならば△6六歩▲同歩△同飛がまたうるさい。 63 8九飛(29) *ついに地下鉄飛車実現。 64 4八成桂(38) 65 同 金(47) *ここから猛然と斬り込んでくるのが穴熊。△6六歩▲同歩△同飛などが気になる。 66 6六歩(65) *暴れるならばここよりない。藤田は残り10分以上残している。慎重に受けて余したい。 67 同 歩(67) *△6六同飛が本命。 68 同 飛(62) *やはりこちらから。これが結構うるさい。(1)▲6六同金は△同角で、△7七金打ちと4八金取りが残る。(2)▲6七金打と投入して、徹底して受けに回る方針が優るだろうか。あるいはすぐに(3)▲4四桂もありそうだ。 69 6七金打 *熟慮の末に金を入れた。残りは5分を切った。 * *※△7六飛、△6七飛成、△6五銀打と、いずれの攻めも切らせるのは実戦的には大変。 70 6一飛(66) *△6七同飛成、△7六飛、△6五銀打など、からんでゆく筋はいくつも見えたが、中倉は自重した。藤田にとってはほっとする展開。 71 6二歩打 *▲6六歩と受ける前に利かせる。 * *※あわてず騒がず、単に▲6六歩と収める順が優ったか。 72 同 飛(61) 73 6三歩打 74 同 飛(62) 75 6四歩打 *連打連打。先手の歩の数がさびしくなってきたのも気になるが。 76 同 飛(63) *この筋まで呼べば、▲4六角が発生する。 77 4六角打 *6筋を受けず、一気に決着をつけにいった。 78 6三飛(64) *藤田の強気の姿勢が通った。 *藤田も時間を使いきって、あとは両者一分将棋。 79 6四歩打 *手堅く。単に▲7四桂もありそうだが、6筋が素通しなのは、やはり気持ちがよくない。 80 6一飛(63) 81 7四歩(75) *格調高く。しかしこれは△7五歩から猛ラッシュを浴びそうだ。 82 7二金(71) *通った。しかしこの金上がりも粘りがある。こうしてみると、穴熊はやはり遠い。 83 5七金(48) *ここで手を戻した。「名古屋城、金のしゃちほこ完成」という定番のフレーズが記者の頭をよぎる。 84 6二歩打 *中倉、駒音も、時計を押す手つきも激しく。ここに歩を使ってもらうのならば、先手も安心か。 85 7五桂打 *▲6三歩成〜▲8三桂不成の筋が受からない 86 8四銀打 *なるほど、受けるならばこの一手か。しかしここに銀を使うのではつらそう。質駒として、一番いいタイミングで取られそうだ。 87 6三歩成(64) *▲6六金右などもありそうなところ。藤田は敢然と決めにゆく。 * *※何もせずに▲6六金右ならば、後手に指す手はなかった。また、行くならば単に▲8三桂不成が優ったか。 88 同 銀(54) *※この銀が受けに利いてきた。 89 8三桂(75) *△同金に▲8五歩か。 90 同 金(72) 91 8五歩打 *遠く横から移動してきた地下鉄飛車が、きれいに縦に利いている。 92 同 銀(84) 93 同 銀(76) 94 6四桂打 *角筋を止めて粘る。穴熊に勝つのは、本当に大変だ。 95 8四銀打 *歩がないのならばと銀を打つ。 96 7一飛(61) *爆発的な反撃力を秘めた飛車回り。 97 8三銀(84) 98 同 銀(82) *藤田がどうやって勝つかという局面だが、間違えると危ない。 99 6六金(57) *ここで手を戻した。 100 8二歩打 *7筋、8筋と歩を叩きたいが、歩切れの相手に歩を渡さずに辛抱。 101 7五金(66) *羽生−大山戦の▲6六銀から▲7五銀を思い起こさせる進出。 * *※状況はまったく異なるが、置駒の活用からの連想。1989年の第2期竜王戦決勝トーナメント・羽生善治五段−大山康晴15世名人戦、羽生五段は置駒の銀を6六→7五と進めて、相手玉の死命を制した。羽生五段はこの後竜王位にまで駆け上がる。 102 5八銀打 *秒に追われながらも、いやらしく迫る。 * *※実戦的な迫り方。冷静に▲5七金と寄ればそれまでだったかも知れないが、秒読みの最中では、そう冷静にはなれない。 103 8四銀(85) *何という穴熊玉の遠さ。これは怪しいムードが漂ってきたかも知れない。 104 同 銀(83) *▲同金ならば△7六歩がキツい。 105 同 金(75) *「これだから穴熊は……」という声が聞こえてきそうな展開。 * *※冷静になれば先手がまだ勝っていそうだが、ここから間違えずに指すのは大変。 106 7六歩打 *この手が詰めろでは痛い。しかし▲6四角がミラクル? * *※局後、代わりに△7七角成も検討された。以下(1)▲同金ならば△7六歩が厳しい。しかし(2)▲同玉△7六歩▲同金としのいで本譜の順と合流すれば、先手しのいでいそうだ。 107 同 金(67) *果たしてどちらが勝っているのか。 108 7七角成(33) *後手玉は、桂馬を渡さない&6四桂が移動しない限り詰まない。 109 同 玉(78) *※代わりに▲同金は△7六歩で危険。 110 6七銀打 *これはいよいよ、▲6四角が決め手か? 111 6四角(46) *鮮やかな詰めろ逃れの詰めろ。 112 7六銀成(67) *しかしまだまだ何かあってもおかしくはない。 113 同 玉(77) 114 6五金打 115 同 玉(76) *何という大熱戦。盤側では、まだどちらが勝っているのかわからない。 116 6四銀(63) 117 同 玉(65) 118 6三歩(62) *悩ましすぎる歩突き。 119 6五玉(64) 120 6四歩(63) *これもまた悩ましい。穴熊に勝つのは大変すぎる。 121 6六玉(65) 122 6七金打 123 5五玉(66) *全国から悲鳴が聞こえてきそうな展開。 124 6六角打 125 6四玉(55) *△8四角▲同飛に△8三金、あるいは△7二金で最後の勝負か。 126 8四角(66) 127 同 飛(89) 128 8三金打 129 同 飛成(84) 130 同 歩(82) 131 6三銀打 *冷静沈着。 * *※代わりに▲8二銀△同玉▲7三銀△同桂▲同歩成△同飛▲7一角として、(A)△同玉ならば▲6二銀△同玉▲5二金△同桂▲4四桂以下、(B)△同飛ならば▲8一金△同玉▲6三角△7二金▲7三桂以下という、かなり難解な即詰みが生じていた。しかしここに至っては、無理をする必要は全くない。 132 3二飛打 133 6二歩打 134 7二歩打 135 8二銀打 *詰ましにゆく。 136 同 玉(91) 137 7三角打 138 同 桂(81) 139 同 歩成(74) 140 同 歩(72) 141 7二金打 *以下は容易な即詰み。終了時刻は19時14分。消費時間は両者ともに40分。藤田が大熱戦を制して、予選通過を決めた。 142 投了 まで141手で先手の勝ち